いわきEVアカデミーは、次世代自動車=電動化車輌(xEV)の基礎構造等を習得するとともに、ものづくりの大切さや仕事に対する考え方の基礎を身につけることで、いわき市の将来のものづくり産業を支える若者を育てる取り組みです。
2016年からいわき市と福島高専の協力で毎年実施しているこの講座では、市内の工業高等専門学校や県立高校の学生・生徒、さらには市内企業の若手従業員を対象に、次世代自動車の基礎構造や製造技術、仕事に必要なスキルを習得させることを目的としています。
座学では基礎知識の習得を目標とし、電動化車両の概要や先端技術、モーター特性などの走行性能、バッテリー、デザインなどを学びます。
また将来、関連する仕事に就きたいと考えている方が身につけておきたいスキルを知ることができます。
一部専門的な項目もありますが、一般高校生レベルに合わせた講義を行っていますので、文系理系問わず受講可能です。
なお講座の各講師は、企業や大学等で活躍しているエキスパートが担当しています。
実習では分解・組立が可能な電気自動車(EV)教材=PIUS(ピウス)を使い、分解から再度の組み立てまでを2日間かけて行います。
組み立て後は、EVの特徴でもあるモーターの出力コントロールを実際に試乗しながら体験します。
実習はただ分解して組み立てるだけではなく、チームワークの考え方や製造現場における5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の実践を目標としています。
また、将来の就職に役立ててもらうために、市内の会社を訪問する「市内企業見学ツアー」も実施します。
<定員と対象者について>
座学の定員は40名まで、実習は最大で14名程度となります。また、学科や性別に関わらず申込できます。
福島高専生は1~4年生、県立高校生は1~2年生、市内企業の社会人の方(1年目からおおよそ3年目ぐらいまでの方)、いわき市内の専門学校、職業訓練校の在校生が対象となります。
高専生及び高校生は、対象学年以外でもお申し込み可能ですが、収容人数を大幅に超えた際にはご参加いただけない場合があります。
社会人は、いわき市内のものづくり企業に1〜3年程度お勤めの方を対象としています。
<学校関係者の方へ>
市内県立高校の関係者の方は、受講および見学を歓迎します。進路指導等にお役立て下さい。ご希望の方は、同様に申込みフォームから登録をお願いします。
講義は、高専生と県立高校生の夏休みが重なる時期に実施します。
また、すべての講義に参加していただきたいですが、ご自身の予定に合わせ、一部講義の出席も可能です。
ページ下部で各講義の内容が確認できますので参考にして下さい。
講座期間:8月2日~27日の下記8日間
当日は13時30分から開講式を執り行います。式終了後に各40分程度の導入講義を実施します。
本講義に入る前の前提としてなぜ今、電動化車両を学ぶのかを理解していただくための講義となっています。
今回は、いわき市環境企画課のご担当者様から「地球温暖化とその対策について」お話しいただき、その次の講義では「脱炭素化とモビリティについて」お話しします。
「次世代モビリティ概論」では、ハイブリッドやプラグインハイブリッド、電気自動車などの電動化車両(xEV)に関する基礎や先進的な技術について知識を得ることができます。この講義を受講することで、講座全体で解説される内容をより深く理解することができます。
「モビリティの走行性能設計」では、電動化車両(xEV)の主要構成であるモーターの特性や伝わる動力の性能などを学ぶことができます。
クルマが快適に走るためにどのような工夫があるのか理解を深めましょう。楽しく解りやすく学んでもらうために、ミニ四駆を使った演習を予定しています。
「モビリティデザイン」はクルマの外観を創るだけではありません。運転席などの居住空間やレイアウト、エンブレムなど全てに関わります。
デザイナーの仕事内容や、工業デザインに必要なスキルを紹介し、将来その道に進む際の参考になる講義です。
自動車メーカーで関わったデザインの紹介や、動画をふんだんに使った解説で、楽しく学びましょう。
カーデザインのミニ演習も予定
「バッテリー関連産業の世界」は、現在の電動化車両やスマートフォンなど、様々な機器に利用されている主要デバイスであるリチウムイオン電池について解説します。
二次電池の基礎や最新の電池技術はもちろん、普段見ることのできない製造の過程を動画で観ることもできます。
また、バッテリー関連産業の仕事は、高校の様々な学科で学ぶ知識を活用できることを解説します。
電池製作のミニ演習で実際の構造や特性を理解する実験も予定しています。
なお、本講義は社会人の方は参加できません。
電気自動車教材のPIUSを使った「分解・組立実習」は、男女を問わず人気の講義です。
講義初日に、チームで分解作業を行い、2日目に組立と試走を行います。座学講義で学んだことをふまえて、実際に作業をすることで、各パーツの構造や仕組みを理解していきます。
実習中は、工具の使い方やチームで作業することの大切さなど、実際に社会に出た際に必要な知識とスキルを身につけることができます。
なお、実習は14名程度での実施となりますので、希望者多数の場合は高専生・高校生の受講希望者を優先させていただきます。
「自動運転化技術の基礎と演習」は、近い将来実用化されるクルマの自動運転を解説します。
現在のクルマに搭載されているセンサー類などがどのような機能を持っているのか理解することができます。
また、簡単なプログラミングを体験しながら、模型を自動運転させるデモ演習を行います。
「市内企業見学ツアー」は、いわき市内にある企業を訪問し、将来の就職先の参考にしていただく企画です。
卒業後に就職する方も、進学を考えている方も、いわき市にも先進的な会社があることを知る良い機会となります。
この企画は、社会人の方は参加できません。
8月2日(土)は、開講式と導入講義を行います。
講座全体の説明等がありますので、必ず出席をお願いします。
講義No.3「次世代モビリティ概論」、No.4「モビリティの走行性能設計」は同じ先生の関連した講義となりますので、連続して受講していただきます。
講義No.7「バッテリー関連産業の世界」は高専生および県立高校生のみ受講が可能です。
分解組立実習は作業上の都合から最大14名程度となりますので、高専生ならびに高校生を優先します。社会人の方で参加を希望されたい場合は、別途ご相談ください。
企業訪問は、高専生ならびに高校生、学校関係者のみ参加が可能です。
夏休みは、たくさんの経験を積み重ねることができる時期です。
この講座は、近い将来のために様々な知識やスキルを身につけてもらう機会にしてほしいと願っている企画です。
自動車が好きな方はもちろん、自動車関連の仕事をしたい方や、いま学校で習っていることとは違う知識やスキルを探している方、どんな仕事に就くか考えている方などにちょっとしたキッカケになるかも知れません。